将軍はどこにいった !?
11年03月28日
No.1475
永田町徒然草No.1474「大震災に対する緊急措置の大要」で、私は災害対策本部のヘッドクォータの必要性と重要性を指摘した。大地震と大津波という敵は、とりあえず去った。その被害は、実に甚大であった。その被災者の捜索と救援は、まさに急務である。2週間余を過ぎても、まだ終わっていない地域が相当ある。10万人の自衛隊が投入されたというが、この作戦目標が“どの程度かつどの範囲”で達成されたのか、ヘッドクォータからは、発表はおろか、一向に報告の一つすらされていない。
福島第一原発事故という敵の襲撃は、いまなお続いている。その襲撃は執拗であり、その被害はかえって拡大している。この敵から日本と国民を守ることも、ヘッドクォータの急務である。枝野官房長官が毎日何回か記者発表をしているが、事実関係に関する記者発表に過ぎない。どう考えても、作戦本部の作戦報道ではない。否、かえって被害を拡大さえしている。
そもそも、このヘッドクォータの将軍は、いったい誰なのか。いまのところ、将軍は菅首相の筈であるが、作戦全体について、将軍の言葉が一向に発せられていない。いったい、何処で何をしているのか。現代戦において、将軍の言葉はひとつの武器である。その言葉を発せられない将軍は、戦いを放棄していると言わざるを得ない。将軍が戦いを放棄することは、許せない。