政治とインターネット
08年09月11日
No.927
自民党総裁選が昨日告示された。マスコミは競って報道している。「マスコミは馬鹿らしい三文芝居を華々しく報道する。しかし、こんなものに騙されてはならない」とWWWでいくら警告を発してみても、多くの国民は惑わされてしまう。私たち日本人は、地震に慣れている。だが実際に直下型地震に襲われるとパニックに陥ってしまう。それと同じである。
これが、「自公“合体”政権は第四権力をこれまでのどの政権よりも強く支配している」という趣旨である。選挙では、スキャンダルでなければマスコミに露出すれば確実に支持率が上がる。自公“合体”政権v.s.民主党野党連合の総選挙が始まろうとしている情勢の中で、これを広告費に換算すれば1日数十億円の価値がある。事前事後の報道を含めれば、数百億円~1000億円のマスコミからのプレゼントである。わが国全体の政治資金を考えれば、これは破格・異常なことである。
こういうことを言うと、物の分かった方は「国民もそんなに馬鹿じゃないから騙されないでしょう」と応える。「賢明な国民もいるが、こんなものに騙される国民が多くいるのも現実である」と、私は答える。現在の選挙は、メディア対策を抜きに語れない。インターネット上のWWWは自公“合体”政権がもっとも支配しにくいメディアなのだが、WWWが政治に与える影響力は、残念ながらマスコミに比べて小さい。
WWWが政治に与える影響力が小さいのは、インターネットの真の普及率が、諸外国に比べて低いからである。携帯電話を、インターネットの機能の一部を利用できるツールなのだから含むべきと考えれば、確かにそれなりの普及率ではある。しかし、インターネットはコンピュータを繋ぐことで成立した。私たちが持っている携帯電話もコンピュータの機能をもってはいるが、パソコンとは明らかに異なる。致命的欠点は、ディスプレィ画面が小さいことなのではないか。永田町徒然草は文字情報が中心だから、携帯電話でみてもコンピュータでみるのと大した変わりはないであろうが…。
我が国のインターネット上のWWWが政治に与える影響力が小さいのは、政治的サイトの内容が貧弱であるためだ。政治家はWWWを馬鹿にしてきた。立て看板くらいに考えて、濃密な内容をサイトに掲載することに熱心ではなかった。政治の主役である政治家から、インターネットを通じて濃密な政治的メッセージや政治情報が発信されなければ、政治分野のサイトにお客(読者)が集まる筈がない。お客が少なければ、政治家に力が入らない。この悪循環は、私が2000年にサイトを開設した時から少しも変わらない。私が永田町徒然草を毎日書くようにしているのは、その範を実際にやって見せたいからである。
今日はこのくらいにしておこう。