マスコミ vs. インターネット
14年01月29日
No.1642
通常国家が始まり、安倍首相の所信表明に対する代表質問がテレビ中継されている。その答弁を聴いていると、安倍首相の思い上がりと能天気さが、良く分かる。こんな首相を多くの国民が支持しているというのだから、国民にも大いに問題があるような気がする。上も下もおかしくなれば、この国は本当におかしくなる。だが、国民はいまは何もできない。こういう流れにストップをかけようと立ち上がったのが、細川護煕都知事候補なのだ。
今回の都知事選は、これまでの選挙と大きな違いが一つある。マスコミが、都知事選から殆ど排除されていることだ。これまでの大きな選挙では、マスコミが大きな影響力を持ってきた。そして、マスコミは徐々に尊大にしてきた。マスコミは、自分たちが事実上選挙を取り仕切れると、思い上がるようになった ─ そういう面があったのは、残念ながら否めない。
今回の都知事選でも、マスコミは主な候補者を登場させて、侃侃諤々の議論をさせる場を作ろうと、いろいろと仕掛けてきた。ところが、今回はそれが出来なかった。細川候補が、その誘いに乗らなかったからだ。それが細川候補に得か損かは、分からない。しかし、前回の総選挙では、各党の代表者(その人数は、8~9人にもなった)を出演させて、侃侃諤々というより、グジャグジャな言い合いをさせて、自民党・公明党を圧勝させた。
都知事選でも同じような手口を使おうとしたのだが、細川氏がそれに乗らなかったので、不発となった。そこで、都知事選を殊更に無視しようとしている。それを最も露骨に示したのだ、NHKであった。そのことについては、永田町徒然草No.1638「いい加減にせい、NHK。」で厳しく批判したところだ。NHKの御用機関化は、安倍首相になってから特に顕著だ。
仮に都知事選を取り上げたとしても、争点を散らそうとしているという、もうひとつのマスコミの手口もある。とにかく「原発即ゼロ=原発再稼働阻止」を争点にしないようにしたいのである。福祉、震災対策、雇用、オリンピックに関心をもってくるように、仕向けている。だが、これらの問題は、限りある予算と権限で何を為すかということだ。一方、原発即ゼロには、予算は要らない。原発再稼働させないように、都民の政治的影響力を行使することなのだ。
マスコミは、あの手この手を使って、原発再稼働に賛成する舛添候補を勝たせようとしている。これに対して、細川候補は小泉元首相と淡々と街頭演説をしている。その運動を支えているのが、インターネットである。マスコミは細川候補と小泉元首相が訴えていることを報道しないが、インターネットを通じてその訴えは拡がっているのだ。だから、この選挙は、マスコミ vs. インターネットの戦いなのである。
インターネットによる情報の伝達は、一人ひとりの国民の発信に支えられる。インターネットは、相当に普及してきた。覚醒した国民がインターネットを通じて細川候補の輪を拡げれば、マスコミを凌駕することは十分に可能なのだが、この点に関し、私は楽観も悲観もしていない。細川候補の当選は、インターネットがマスコミを凌駕した時なのだ。マスコミは大資本だ。インターネットは、国民一人ひとりのものだ。この戦いは、大資本 vs. 個人でもあるのだ。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。