麻生候補の最大の問題点
08年09月09日
No.925
昨日、東京では一粒の雨も降らなかった。私の記憶では、お盆から初めてのような気がする。昨夜自宅に帰って、ひと寝りしていま起きたところだ。外からは涼しい風が入ってくる。湿気がないので爽やかである。昨夜みた気象情報では、今日は日本列島全体がすっぽりと大陸性高気圧に覆われるという。これはもう完全に秋である・・・・・。
昨夜、出先でテレ朝の『報道ステーション』をみた。お店のテレビだったので音声を聴くことができなかったが、賑々しく自民党総裁選の映像が流れていた。民主党代表選の映像や小沢代表の顔も時々映ってはいたが、刺身のツマ程度でしかなかった。テレ朝が行ったと思われる世論調査も紹介されていた。政党支持率は自民党が数%上がり、民主党は数%落ちていた。行ってこいで10%近くの差ができていた。この数字は、あまり芳しいものではない。
今回の自民党総裁選は、「自民党の自民党による自民党のための総裁選」である。総選挙の自民党の顔を選ぶ総裁選である。自民党自らが公言して憚らないのであるから本当にそうなのだろう。多くの人も指摘している。そうだとしたら、1紙や1局くらい「今回の自民党総裁選の報道は差し控えることにした」と宣言する社があっても良さそうなものだが・・・。多少のトーンの違いはあっても、各社横並びでバカバカしい自民党総裁選を競って報道することになろう。
今回の自民党総裁選は、麻生太郎氏を総裁にするセレモニーに過ぎない。いろいろな候補者が立候補するが、それは刺身のツマでしかない。野党としては、麻生氏一点に絞って攻撃をすれば好い。自公“合体”政権は、安倍前首相・福田首相という政権を投げ出す無責任な首相を選出した。その根本の原因は、安倍首相が参議院選挙の結果を公然と無視して続投を宣言したことにある。民意を公然と無視する反民主的・ファッショ的な政治体質・姿勢にあった。
その中で、麻生氏はいかなる役割を果たしたのか。安倍首相に続投を勧めたのは麻生氏その人であった。その見返りに中川秀直幹事長の後任として幹事長の職を手に入れた。安倍辞任を受けてチャンス到来と思った矢先、福田康夫氏に首相の座をもっていかれた。その理由は、自民党の最低限の常識がそんな麻生氏では不味いと直感したのであろう。自民党総裁選に立候補する各氏に、昨年秋の総裁選で「福田康夫氏を支持したのか、麻生氏を支持したのか」を尋ねることはマスコミの最低限の義務だと思うのだが・・・。
8月初めに行われた党内閣の改造直後に福田首相が政権を投げ出したのは、どう考えても無責任の極みである。福田首相の党内閣改造に賛成し、これに応える形で幹事長を引き受けたのが麻生氏である。ひょっとしたら今回の辞任劇は福田首相と麻生氏の密約の疑いがある。麻生氏は2回に及ぶ辞任騒動の共同正犯の可能性すらある。いずれにしても、無責任な辞任をした首相を補佐・支えるのが幹事長の職責である。その職責を果たせなかった麻生氏は、政治家として失格なのである。そんな麻生氏を総裁に選ぼうとしている自民党の体質を野党は問題にしなければならない。
今回の総裁選に立候補する各氏は、麻生総裁に賛成できないから立候補するのだろう。そうだとしたら、上記のことをまず指摘する必要がある。そうでなければ、結局は同じ穴の狢(むじな)といわれても仕方ない。野党・マスコミ・自民党総裁候補からこの点を追及されて、麻生氏以外の人が当選したとしたらサプライズである。もしそうなったとしたら、その人はひょっとして奇跡を起こすかもしれない。
それでは民主党として困るというので、麻生氏の問題を指摘することを控えているのだとしたならば心得違いである。その時その時に全力を尽くすことにより、次の展望が開けていくのである。まずは以上のことが最も大切なことである。政策以前の政治に対する基本哲学・姿勢の問題である。麻生氏の政策については、これはこれで大きな問題がある。そのことは別に述べることにしよう。
それでは、また。