おかしな言い分(その2)
09年02月24日
No.1092-2
<永田町徒然草No.1092からつづく>第三に言いたいことは、日本の政治を担当できるのは自民党しかないという思い上がった言い分である。最近では公明党までこのような思い上がったことを言っている。通常、政権与党は議会でも多数を占めている。だから法律を作る力をもっている。また予算を作る力ももっている。その執行に当たるのも政府与党である。そのことを指して自公“合体”政権は現実の政治を担当できるのは自民党しかない、公明党しかないと言いたいのであろう。
それならば逆に反論すればよいのだ。現在の日本には、山ほど問題がある。文字通り問題が山積している。それらはすべて自公“合体”政権のせいだと。彼らは、「参議院で過半数がないために、やりたいことがやれないのだ」と言いたいのであろうが、それはダメである。一昨年の参議院選挙で大敗するまで、自公“合体”政権は参議院で多数をもっていた。しかし、碌なことをやらなかった。現実に生起する問題を処理できなった。自公“合体”政権の政権担当能力が問われたのだ。そして歴史的大敗を喫したのだ。
参議院選挙前に露呈した年金を巡る問題はその後なにひとつ解決していない。決まったことといえば、何とかという機構を作ったくらいだ。機構を作ったからといって問題が解決する筈がない。この他にも後期高齢者医療制度や薬害問題や救急医療問題など厚生労働省に関わる問題が噴出してきた。その都度出てくるのが、あの舛添大臣だ。イガグリ頭で口を尖んがらせて怒って見せるのだが、問題は一向に解決しない。要するにパフォーマンスをしているだけなのだ。こんな男がポスト麻生のひとりとして浮上しているのだから、笑っちゃう。
こうなってしまう原因は明らかである。日本の政治的課題に対して具体策を考えるのは、現実には官僚である。それは世界のどこの国でも普通なことなのであるが、問題は官僚の能力である。日本の官僚は、必ずしも優秀でも有能でもない。そのことを認識して、最後は政治家が責任をもって行わなければならないのだ。ところが、自公“合体”政権は昔ながらに日本の官僚は優秀であるし、有能だと思っている。官僚に頼りきりである。“百年に一度の危機”に対する緊急対策にあたっても同じである。“百年一日”というのが日本の官僚の生き様である。自公“合体”政権はそんなことも知らないのだ。
書き始めればキリがないが、これ以上書くのは馬鹿らしくなってきた。昨年10月に『政権崩壊』というタイトルの著書を出版したが、少なくとも自公“合体”政権は崩壊しつつある。森田実氏は、「自民党が滅び民主党が栄える局面において、マスコミは民主党の方に注目する。しかし政治研究者にとって、旧来の主流の政治勢力が滅びゆく過程を研究することは意味のあることである。友人のF氏の求めに従って、自民党の敗北・滅亡の過程の研究に取り組むことにした」と書いている。しかし、私は自公“合体”政権を倒すその日まで追及していく。
それでは、また。