千尋の谷
09年11月25日
No.1352
昨日から事業仕分け作業の第2弾が始まった。どのニュース番組もこの話題で持ちきりである。そしてどの局も賛成の立場で報道している。私に言わせれば“大甘”だ。
しばらく忘れていたが、小さい時お袋から教えられた
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」
ということわざを思い出した。国民が民主党政権を作ったのだ。なんで遠慮をする必要があるのだろうか。マスコミは何かを恐れているのだろうか。それとも権力に迎合しているだけなのだろうか。そうだったら自公“合体”政権に対する姿勢と同じだ。
今日は時間がないので詳しく論ることはできない。政治的議論としては不本意であるが、感想めいたことだけを書く。現在私たちの前で展開されている民主党政権や鳩山内閣の閣僚の言動は、性質(たち)の悪い“政治劇”である。面白いかもしれないが、政治の本道からズレている。こんなことをやっていては国民の支持を早晩失うことは必定である。政治は結果責任である。いろいろやっていても結果が伴わなければその責任を問われるのである。
政治主導といわれているが、新しく打ち出す“政策(!?)”はあまりにも稚拙である。思い付きに過ぎないようなものがたくさんある。政治家同士でもっと議論し詰めた上で発表しなけれれば齟齬が生まれる。政治哲学や理論に長けた閣僚や政治家は少ないようだが、それでも“三人寄れば文殊の知恵”も生まれるであろう。とことん話し合って決めたことでないから、言ったことが直ぐ変わる。これが迷走となる。
“国民の生活が第一”と言ってきたのだから、民主党政権の政治責任は“国民の生活”を現実に良くすることである。多々弁ずれど結果が伴わなければ、そんなものは糞喰らえだ。「道路特定財源の暫定税率は廃止するが、同規模の環境税なるものを導入する」との発言がある。たぶん財務官僚の入れ知恵であろう。2兆円規模の新税の導入は、12月中に予定されている“税制調査会”で議論し決められることではない。新しい法律を作る中でその目的を実現するために設けられる税でなければならない。基本を蔑(ないがしろ)にすることは断じて間違いである。
それでは、また。