私たちの時代はいま…!?
09年11月30日
No.1356
日曜日の永田町徒然草を休みにしてから、私の週末は急に楽しくなった。土曜日の仕事が終わると、最大限月曜日の朝までは自由である。月曜日の朝の1~2時間、永田町徒然草を書けばよいからだ。その時に永田町徒然草を書かないからといって別にペナルティがある訳ではない。しかし、これは自分自身に課していることである。
長い間私は政治というものに携わってきた。そして30年近くの間、政治を職業としてきた。現在は政治を職業としていないが、政治から完全に離れることなどできない。いまわが国の政治は大事な時にある。だから政治から離れることはできないのだ。政治とはこの国の人々の生活を全(まった)きものにするための営為である、と私は考えてきた。己の人生を全きものにするためにも人間は政治に携わらなければならないと若い時から考えてきた。
皮肉なことに己の人生を豊かにするために政治に関与した結果、己の人生を犠牲にしなければならないことは多々ある。私などもそのような傾向があった。私の場合、政治を職業としたことにより、その矛盾を克服した。いま私は政治を職業としていない(すなわち政治活動から生活の糧を得ていない)が、ひとりの人間として政治活動を行っている。その原点は己の人生を全きものにしたいからである。
30年近く政治を職業としてきた者が政治活動をする場合、それなりの関与の仕方があると思っている。そう思ってやっているのが永田町徒然草の執筆である。これが私の政治活動なのだ。自己満足と嗤(わら)う人もいるだろう。年寄りの自慢話という人もいるであろう。しかし、なにがしか参考になるものがあるから多くの人が白川サイトにアクセスして下さるのであろう。これも勝手な妄想だという人もいるだろう。そう言われてもよい。他山の石になれば幸いである。
この週末、映画『ゼロの焦点』をみた。またNHKで新しく始まった『坂の上の雲』もみた。『ゼロの焦点』はなかなか面白かった。松本清張が社会派推理作家と言われる所以が分かった。また映像も美しかった。学生のころ見たソ連映画のシェイクスピア物を彷彿(ほうふつ)とさせる映像もあった。そういえば北陸の冬は、北欧やイギリスの冬を連想させる。
私は司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』を読んだことがないが、「坂の上の雲」がひとつの政治用語となっているくらい有名である。11月29日(日)は第一回だったが、なかなか面白かった。この際『坂の上の雲』を読まなければならないだろう。来年のNHK大河ドラマは『龍馬伝』だという。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』は読んだ。これは軽妙で面白かった。
現在は『竜馬がゆく』の幕末と似ているのであろうか。それとも『坂の上の雲』の明治の初めと似ているのであろうか。私などは新憲法が誕生し、日本という国が音を立てて変わって行った時代をそれなりに経験している。『ゼロの焦点』で描かれていた時代がそうであった。いずれにしても革命の時代は、明るかった筈である。
現在ひとつの革命を成し遂げた筈なのに、そのような明るさがない。私がいちばん憂いているのは、そのことなのだ。
それでは、また。