仕事始め雑感。
10年01月04日
No.1385
2010年は、今日4日から仕事始めという事業所が多いのではないか。いつも言っているように、最近の年末は何となく散漫である。昔のような緊迫感がない。だから、正月は三が日休めば十分なのではないか。私も、今日が仕事始めである。白川勝彦法律事務所も半数体制だが、今日から仕事である。
正月三が日、私は自宅でのんびりと過ごした。もっとも、元旦の深更はどうしてもやらなければならない事があったので、忙しく動いた。だから、正確には正月二日半というところだ。でも、二日半も休めば十分である。選挙を始めた時から平成12年まで、二年参りから始まり1月5日くらいまで、私は毎年“新年街宣”をしていた。それに比べれば、極楽のようなものである。
上越の支援者から送られてきたおせち料理があったので、食事に出かける必要もなかった。いろいろな料理があったので、楽しませてもらった。野菜中心の伝統的なおせち料理なので、極めてヘルシーでもあった。それにしても、ちょっと食べ過ぎたような気がする。まぁ、正月なのだから少しは大目に見るか。いずれにしても、今年はちょっとダイエットを心がけなければならない。
正月三が日、寝正月だった訳ではない。私なりに、今年の計画をいろいろと考えていた。世の中は極めて不景気である。弁護士の仕事も、不景気になると大変になる。確かに事件数や揉め事は増えるが、だからといって弁護士の仕事が増える訳ではない。世の中の人は、そこのところを勘違いしている。弁護士に仕事の依頼をするのも、何らかの経済的利益を求めて行うものである。
経済的利益を求めて弁護士に依頼したとしても、求める利益が直ぐ手に入る訳ではない。特に一般の裁判ともなると、かなりの期間がかかる。しかし、弁護士はある程度の着手金を払わないと、依頼を引き受けてはくれない。着手金は、だいたい、求める経済的利益の一割くらいである。不景気になると当座のおカネが忙しく、将来的な利益を諦める訳ではないが、後回しにせざるを得ないのだ。
そんな中で、白川勝彦法律事務所を運営していかなければならない。小さいながら私にも経営責任があるのだ。昨年の仕事始めも“百年に一度の経済危機”という緊張感をもって臨んだ。何とか白川勝彦法律事務所は“経済危機”に陥ることなく乗り切ってきた。「だから今年も大丈夫だ」などとは思っていない。今年が大変だということには、違いはないであろう。
しかし、私にはひとつの確信がある。「弁護士という仕事は、依頼者のため精一杯に働けば、弁護士報酬など必ずいただける筈だ」という確信である。“労働価値説”に対する確信といってもよい。最近は本気で労働しないでおカネを儲けようという風潮があまりにも強いのではないか。最近特に増えた“盆と正月”のような休日を私が斜に構えて見るのは、この“労働価値説”からである。
労働価値説は、市場全体の平均的労働価格を前提にしている。経済がグローバル化しているのだから、労働価格もグローバルで考えなければならない。弁護士の労働価格は、幸いにも極めてドメスティック(国内的)である。だが日本国内の産業の大半は、ドメステックな第三次産業が圧倒的に多いのである。第三次産業とは、サービス産業である。そう考えれば、そんなに悲観するばかりではないと私は思うのだが…。
メディア産業などその最たるものである。そのメディア産業が不振であると言われている。正月はやはりテレビを見る時間が多くあったが、面白い番組は本当に少なく、どうしても見たいという番組はなかった。その中でいちばん面白かったのが、NHKハイビジョン放送で放映していた『日本と朝鮮半島2000年』であった。全部で9回あったようだが、私はその4回分を見た。日韓関係を考えてきた者としては、非常に参考になった。NHKもこういう番組をやっていれば、大丈夫だ。
わが国は、文化力をつけないと経済も成長できないような気がする。日本経済の牽引車と言われている輸出産業も、文化力抜きには成長できないようだ。海外の消費者に売れる日本製品は、その国では“文化製品”だ。文化とは way of life だと言われている。中国に日本の文化製品を売るためには、中国の文化を知らなければならない。だんだん話は難しくなってきた。今日はこのくらいにしておこう。いずれにせよ“日々革新”が求められる。
読者諸氏の、今年一年のご健闘を心から祈念する。
それでは、また。