要石
10年01月07日
No.1388
藤井財務大臣の辞表が受理された。菅直人副総理が財務大臣となった。国家戦略室担当大臣は、仙石行政刷新担当大臣が兼務することになった。鳩山内閣という石垣の要石(かなめいし)の変更だ。まぁ、已むを得ない無難な人事とは思うが、鳩山首相を支えなければならない要石が、これまでガッチリと噛み合っていたかどうかについては、検証しなければならない。私は、必ずしも満足のいくものではなかったと思う。これを機に、鳩山内閣の要石はガッチリと噛み合って、盤石の石垣を作っていくことを期待したい。
▲兵庫県有馬温泉にある16世紀の石垣
石垣の要石は、自分の上に載(の)っている石の重量を支えなければならないのだ。下の要石になるほど、より荷重は増える。だから、動いてはならない ─ いや、動けなくなるのだ。ところが、やけに目立ちたがる要石がある。カタカタ動くような石は、要石ではない。このことを、心してほしい。
ところで、石垣は大地の上に築かれている。この大地だって、不動という訳ではない。地震だってある。水の浸入で軟弱になることもある。国民の支持という大地は、石垣の揺れで微妙に変化するから厄介だ。要石といわれる人たちの一挙手一投足で、常に変化する。心して政権を運営してほしい。物理学の法則によれば、上からの力と同じ力が加わっている場合、物は静止している。理系出身大臣たちには、これは常識であろう。常に国民の願いを心において、政権運営をしなければならない。
それでは、また。