寒風の中で…。
10年01月14日
No.1393
今日は全国的に寒い一日のようだ。大雪が降る地域もあるという。東京も寒いが晴天である。雪の降る中で“難渋”の経験のある私としては、寒くても晴天の東京などは、天国のようなものである。しっかりと着込んでさえいれば、大したことはない。だが、寒さの中、雪や雨で体が濡れると本当に寒くなる。これは、耐えがたい寒さである。
この寒さの中、ホームレスの人々がいる。「この日本でなぜホームレスなの…!?」と思う人が多いのではないか。生活保護をはじめ各種の福祉施策があるのだから、それらを利用すれば、ホームレスの生活などしなくともよい筈だと考えられる。私も嘗(かつ)てはそう思っていた。
ところが、生活保護の申請をするためには、申請する地域の住民であることが要件だという。そのためには、住民登録をしていなければならない。しかし、住民登録ができない事情のある人がいるのである。そのひとつに、債権者からの借金の督促を免れるために住民登録をしないケースがある。住民票の住所は、一定の要件を満たせば誰でも追っていくことが可能だからである。
私が借金の相談にあずかる人の中には、本当にそんな収入で生活できるのかという人もいる。そんな境遇にあって、借金の督促に怯え、何とかならないのかという相談である。闇金(ヤミキン)以外なら、弁護士にはいくらでも打つ手はある。金融業の届け出をした金融業者は、強引な取り立てをすれば監督官庁の処分を受けるからである。しかし、金融業者として届けていない者は、資格などどうでもよいのである。法外な高利で金を貸している闇金は、最初から法律など何ともないのだ。いくら困っても、闇金には絶対に手を出してはならない。
“たかがおカネ、されどおカネ”。債務整理の現場では、より良い安定した生活を求めて、人は闘っているのである。ここのところが理解できないと、債務整理の仕事などできない。私は、法律家以前に政治家である。より良い安定した生活を求めて闘う人々に、限りない共感を覚える。法律は債務整理の強力な武器ではあるが、決してすべてではない。法律以外にも何らかのサポートが必要なケースが多い。だから、債務整理の仕事に私は燃えるのである。
それでは、また。