今年こそ雲従龍
12年01月01日
No.1530
背景 : 2012(平成24)年 初日の出 (*上の画像にマウスオンで本文拡大。クリックで年賀状拡大画像表示)
謹んで新年の慶びを申し上げる。
昨年は本当に厳しい年だった。日本人なら誰でも津波のことは知っているが、一瞬にして2万人もの人々の命を呑み込んでしまう現実を、誰が想定していたであろうか。その虞のある国土に、私たちは、いまも生きているのだ。原子力発電所(以下原発という)の事故が起きれば、いろいろな被害が出ることは想定していたが、日本人の多くは事故の発生を無視してきた。その見返りに、私たちは、悲惨な現実と向き合っている。
他の原発で事故が起きない保証など、まったく無い。さまざまの理由で現存する原発のほとんどが運転を停止しているが、今年中に、運転を再開するかどうか決めなければならない。福島第一原発事故の悲惨な被害は、ほとんどの国民が想定しておかなければならなかったのだ。「安全神話を信じていた」とは、もう言えない。持続可能エネルギーの可能性はあるが、現実化へのハードルはかなり高い。
歴史的な円高ドル安である。大納会の日経平均株価は、昭和57年の水準であった。そのような中で、政府民主党は消費税導入を決定した。法案が通るかどうかは定かでないが、これに端を発する政治の混乱だけは、確実に想定できる。3・11大災害の復旧・復興や、慢性的なデフレ不況克服にイニシアチブを発揮する力強い政権など、望むべくもない。
このような現実の中で、私たちは平成24年を迎えた。ほとんどの人々にとって、今年が良い年になる保証など、残念ながら、まずない。それでも、私は新年のお慶びを申し上げたい。
「雲従龍の気概をもって臨めば、何事も必ず希望が拓ける」と、私は信じるからである。
辰年の元旦にあたり、読者諸氏に心から、雲従龍のエールを贈る。
どうぞ、今年もよろしく。