立春は過ぎたが…
12年02月05日
No.1535
2月4は、立春であった。その日は確かに、それまでに比べ寒さは少し和らいだ。その夜、買い物に出かけた。寒さは、依然として厳しかった。春、未だし。
タクシーに乗ると、私は運転手に「景気はどうだい?」と訊ねる。ほとんどの運転手が、「いやぁ〜、きびしいですね」と、答える。もう、口癖みたいなものだ。日本の至るところで、このようなやりとりが行われているのだろう。そんな中で、首相が何としても税金を上げるのだと息巻いている。異様な国になったもんだ。
今年の寒さや雪は、久しぶりに本格的である。しかし、私が体験し、知っている冬は、概してこんなものだった。だから、別に驚かない。それでも、日本の冬は、他の国に比べれば穏やかなものであろう。もっと厳しい冬を過ごさなければならない国々が多い。「坊主と乞食は三日やったらやめられない」という言葉は、北ヨーロッパやロシヤや中国には、おそらくないだろう。それらの国々では、寒さのために人が死ぬのだ。
冬の厳しい寒さは徐々に和らぎ、そう遠くないうちに、穏やかな日本の春が確実に来る。しかし、日本経済の厳しさ、日本政治の混乱は、そう簡単に収まりそうにない。なぜならば、そこから脱出する努力をしていないからである。もし景気や政治が良くなったりしたら、それは、偶然の僥倖(ぎょうこう)に過ぎない。私は、悲観論をいっているのではない。経済も政治も、因果応報なのである。原因があって、結果があるのだ。
わが国の現在の不況は、構造的なものである。いわゆる景気循環論の不況期とは、わけが違う。構造的な不況の原因に対し、有効な対策を講じなければ、不況から脱出できるわけがない。わが国の経済界が、その努力をしているとは思われない。そういう経済人は、もういなくなってしまった。政治が本格的にその対策を講じなければならないのだが、そのような政治家や政党は、いまのところ見当たらない。それが憂鬱なのだ。今日は筆が思い…。
今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。