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人をして言わせしめよ。

12年07月03日

No.1513

小沢グループの離党について、いろいろな人がさまざまのことを言っている。それにしてもマスコミの論調は、各局とも押し並べて否定的・悲観的だ。誰かの指示に従ってでもいるのだろうか ─ そう勘繰りたくさえなる。私が、ちょっと意外かつ嫌な感じがしたのは、離党届が2通取り消されたことだった。小沢氏のポカなのか、側近のポカだったのかは不明だが、こういうことは、絶対に繰り返してはならない。

今回の離党は、「公約を破っても、それがどうした」という輩に対する抗議であり、抵抗である。それは、正しいことだ。それだけで結構ではないか。「公約などくそ喰らえだ」という政党や政治家が跋扈したのでは、わが国の民主政治は死んでしまう。国民は、このことに怒らなければならない。1960年の安保闘争において、国会を囲むデモ隊の輪が急に大きくなったのは、衆議院において強行採決がなされてからであった。

野田首相の消費増税法案強行突破にブレーキをかける責任があったのは、民主党である。これを漫然と許すようでは、民主党全員が「公約を破っても、それがどうした」と考えていると捉えられても、仕方がない。断固たる反対行動に出なかった民主党議員は、どう取り(つくろ)おうが、野田首相と同罪である。どのような理由があろうが、選挙の際に言ったことと、真逆のことを平然と行う政党や政治家は、絶対に許してはならない。

前回の選挙で民主党の敵であった自民党・公明党と“3党合意”なるものを作って、消費増税法案を衆参で押し通すという手段も、姑息で卑しい。これも、重要な論点としなければならない。こんなことを許しては、いつでも大政翼賛体制を作ることができる。戦後の日本の政治では、国民は大政翼賛体制を決して許さなかった。今回の消費増税は、そのような体制を作って行うべき緊急かつ単純な問題ではない。政治の基本に関わる問題である。

野田首相やマスコミがどのように言おうが、民主党からの50名の離党は、彼らにとって大ショックなのである。「大したことはない」と殊更(ことさら)に強がりを言っているのは、その裏返しなのだ。小沢グループは、50人の同志がいることに自信をもった方が良い。たった一人で自民党を離党し自公“合体”政権に挑んだ者からすれば、離党者50名という数字は、大したものである。あとは、戦い方の如何で展望が拓かれる。

それでは、また。

  • 12年07月03日 12時44分AM 掲載
  • 分類: 1.徒然

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