秋の夜長に
12年10月14日
No.1532
東京も、すっかり秋らしくなってきた。秋の夜長に何をすればよいか、近頃それを、私は考えている。日中は、仕事に忙殺される。最近は、債務整理の内容が難しくなってきた。よく勉強をしないと、債務整理の仕事もできなくなりつつある。また、経験も必要だ。債権者の中には、弁護士が付いても、将来利息のカットや長期分割に応じない業者もいる。その辺の事情を良く知らないと、依頼者に迷惑をかけることになるからだ。
仕事が終わると、私は、夜の街に出かけるのを、長い間の習性としてきた。下戸なので、酒を飲みに出かける訳じゃない。食事をしたり、他人の飲むのに付き合ったり、マージャンをしたり、ときにはパチンコもする。要するに、いろんな人と話したり、食事をしたりするのが好きなのだ。書斎に籠り、読書や思索をするタイプではないのだ。政治家の時は、それはそれで必要な仕事だったが、弁護士である今の私には、必ずしもそうともいえなくなった。
歳も歳だから、これまでのようにはいかない。体もキツくなった。もう少し、夜の過ごし方を改めなければならない。たまに早く帰ってテレビを見ることもあるが、面白いテレビ番組には、滅多に出逢わなくなった。テレビ局の映像力は、極端に低下している。たまに良い番組だと思うものは、BBCが多く、わが国の文化力の低下を象徴している。文化力は、国民の生活の質の向上に必要なのはもちろん、経済の成長にも不可欠なのだが…。
政治も、広く捉えれば、文化の領域に属する。文化力が衰えているのだから、政治も衰えるのは当たり前のことである。最近のわが国の政治については、論評する気も起きない。「お粗末」の一言に尽きる。しかし、そういって何もしないのでは、始まらない。馬鹿らしいことをキチンと分析するのも、文化の仕事か。革命前夜には、多くの文学が現れ、民衆を鼓舞した。私には、とてもじゃないが、小説は書けない。が、何かをしなければならない。
それでは、また。