何となくウキウキするが
13年03月10日
No.1558
やっと、春らしい日が多くなってきた。3月は
経済指標を見ていても、円安・株高の日々が続いている。NYダウは、史上最高の1万4397ドルを記録した(2013年3月8日)。わが国の日経平均の史上最高値は、確か3万9000円余だったが、もう20年以上前の記録なので、これは参考にならない。アベノミクスとやらで、円安や株高が起こっていると思っている日本人が多いようだが、アメリカの経済指標が良くなっているのが、日本の円安・株高の原因というのが、私の感想である。市場の推移は、どこまでいってもアメリカ追随という気がする。
いつも言っているように、私は、アベノミクスとやらをまともに議論する気が起きないが、それで日本経済が本当に良くなるのであれば、反対するつもりはない。アベノミクスを主導している人たちは、責任をもって経済運営をしてもらいたい。もし、それが失敗したならば、キチンと責任をとってもらいたい。果たして、安倍首相や麻生財務大臣はその覚悟をもっているのだろうか。国民も野党も、監視しなければならない。
私の世の中の動きを見る目は、原理原則から見て、それは大丈夫なのだろうかと、かなり保守的なものである。私は、「人間世界の動きも、基本的には経済学や政治学の原理原則から離れて存在できない」と、いつも考えている。しかし、残念ながら経済学や政治学は、物理学に比べれば、科学としてまだまだ確定している原理原則が少ない。だから、私は、世の中の動きを科学的に予測するのは難しいが、その努力を惜しんではならないとも考えている。
いまや、体制翼賛的になったマスコミの報道で、気分的にウキウキするのは結構だが、実体経済の動きがどうなっているのか、冷静に見なければならない。本来ならば、経済評論家の使命はそこにある筈なのだが、マスコミに登場する評論家などは、万事甘過ぎる。体制翼賛的なマスコミが選ぶのだから、仕方がないといえば仕方がないのだが、野党や国民まで体制翼賛的になってはならない。良い世の中を作るために、国民は健全な批判精神を失ってはならない。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。