台風と経済の予測
09年10月07日
No.1310
二日前の日曜日、東京は良い天気だった。しかし、その後二日間は雨模様だった。今日も一日中、雨の予報。そして台風が直撃すれば今夜から明日にかけて東京も大荒れになる。皆が気象情報を注意深く見守っている。あまり大荒れにならなければ良いのだが…。
私が育った新潟県十日町市は、盆地なので台風はあまり来なかった。それでも台風に見舞われることもときにはあった。数回大きな台風に見舞われたことを子供ながらに記憶している。今のように気象衛星など無かったので、どこから来てどこに去っていくのかなど分からなかった。また家がいまのように立派ではなく、強い風が吹くといろいろな被害を蒙った。
台風が十日町市を来襲する時期は、いつも稲刈りと重なった。いまのように米の乾燥機など無かったので、刈り取った稲はすべて“はざ”で乾燥させていた。台風でこの“はざ”が壊れてしまうのである。時には“はざ”を作っている木も倒れてしまう。電線もよく切れた。家の周りにある杉や欅が倒れることもあった。兎に角、台風は怖かった。それでも台風が去った後、栗の実が落ちているでこれを拾いに行ったことを憶えている。いつの時代も子供は無邪気なものである。
日本列島を台風が直撃しても現在ではそんなに大きな被害は起きないようになった気がする。昔の台風被害は、もっと甚大だった。これは治山治水をはじめとするいろいろな施設・対策が積み重ねられた結果であろう。日本を逸れた台風が韓国や中国に行くと、かの地では昔の日本のような大きな被害に見舞われる。こう考えると“無駄な公共事業”だけだと言い切ることは難しい。
台風の進路は、気象衛星などの出現により正確に予想できるようになった。しかし、人間社会のことを予測することはなかなか難しい。経済などはもっと正確に予測できそうなものだが、これがなかなか簡単じゃないようである。政治の動きは最も予測困難と考えている人が多いようだが、政治の動きもそんなに予測困難ではない。そのことはこの永田町徒然草を読んできた方々には分かってもらえると思うが…。経済の専門家に期待したい。
それでは、また。