休日と賃金(週休二日制)
10年03月27日
No.1427
春分の日とその振り替え休日の2連休明けから始まった今週も、今日で土曜日だ。ゆっくりと休んだせいか、忙しかったが体調はすこぶる良い。これが、週休二日制の効用なのであろう。現在では、完全週休二日制という人が増えている。しかし、完全週休2日という人は、全勤労者数の何%くらいいるのだろうか。派遣労働者やアルバイト制の勤労者の中でも、週休二日制の人はいるだろう。だが、こういう人の場合、休みの日は原則として賃金は出ない。私が問題にしている週休二日制には、こういう人たちを含んでいない。
私が小さい頃、週休2日の人などほとんどいなかった。公務員や銀行員だって、土曜日半休・日曜日全休だった。月給制ではなく、日給制の人も多くいた。現場の建設労働者などは、そのほとんどが日給制だった。1日働いて幾らの世界である。しかも、1日当たりの労賃(日当)は決して高くはなかったから、日曜日も働く人々は少なくなかった。大工さんの労賃は、その中でかなり高かった。一人前の大工さんは、新潟県の田舎ではエリートだった。その代わり、大工さんの修行は厳しかった。
30歳で、私は政治の世界に入った。少なくとも自民党政治家にとって、その生活は週休二日制など無縁であった…というより、年中無休・眠っているとき以外は仕事という毎日だった。白川勝彦政治事務所の代表である私がそのような生活をしているのだから、事務所の秘書たちも同じような生活であった。みんな、良く頑張ってくれたと思っている。世間では政治家というと“濡れ手で粟”というイメージをもたれているが、現実は、そんなに甘い生活ではないのだ。
弁護士としての私は、いま債務整理の仕事を主としている。債務整理をする場合、依頼者の収入は非常に重要な要素となる。だから、依頼者の収入について詳しく聴かなければならない。勤務時間と残業の有無・休日の賃金がどうなっているかなどについても、訊ねる。近時、多くの国民の収入は極端に落ち込んでいる。中には、本当にそれで生活できるのだろうかという方もいる。しかし、悲しいかな、それが現実なのだ。多くの借金を抱えるようになった原因も、そこにあるケースが多い。
債務整理をする場合、収入の中から一定額をそれに当てなければならない。実際の収入と生活状況の中で、債務整理のために幾ら割(さ)くことができるのか、それが決め手となる。債務整理をしようと考えている依頼者と、それを受任しようとする弁護士のやり取りはひとつの勝負であり、気合なのだ。このようなぎりぎりの仕事を日々行っている者からみると、現在の政治家たちの甘さ加減に腹が立つ。“国民の生活が第一”という民主党は、もっと国民生活の現実を見つめてもらいたい。私に言わせれば“甘ちゃん”ぞろいだ。
それでは、また。