統一でなくなった理由
07年03月22日
No.372
今日から13都道県の知事選挙が始まる。47の都道府県があるのだから、知事選挙については統一地方選挙ということはもうできないのではないか。地方選挙でいちばん一斉に行われるのは、道府県議会議員選挙である。東京都、茨城県、沖縄県だけが別で、あとは全国一斉に行われる。統一度がいちばん高い地方選挙である。どうしてかご存知かな……。
知事選挙と市町村長選挙が統一度を失ったのは、首長が任期途中で欠けるからである。欠ける理由はいろいろある。死亡や病気などによって首長が欠けることがまずある。不祥事や政治的な理由で辞任する場合もある。数は少ないがリコールによる失職もある。市町村合併の場合にも首長選挙が行われるケースもある。いわゆる対等合併の場合がそうだ。合併する市町村は一旦解散して新しい地方自治体が誕生するので、まず新しい地方自治体の首長を選出しないとすべてが始まらないからだ。平成の大合併でこのようなケースは増えた。このように首長選挙がバラバラに行われるようになった理由は、いろいろある。
市町村議会の議員選挙が統一度を失った原因は、合併である。昭和20年に1万弱あった市町村が昭和30年前後の大合併で3300強になった。私が自治大臣を務めた平成8年には、市町村の数は3200だった。市町村合併がいわゆる対等合併の場合、合併前の市町村は解散して新しい地方自治体が誕生するので、その市町村議会の議員も新しく選出しなければならない。わざわざ統一地方選挙の実施日にあわせて市町村合併するケースは少ないので、それで市町村議会の議員選挙もズレてしまったのだ。都道府県議会や市町村議会が解散されるケースもまれにはある。ひとつは首長に対する不信任案が議会で可決された場合、首長は議会を解散することができる。ただこうしたケースは極めて少ない。
道府県議会の議員選挙がズレなかったのは、都道府県の同士の合併がなかったというのが第一の理由である。東京都議会と茨城県議会の議員選挙が統一地方選挙からズレたのは、両議会が自主解散をしたからである。議員をめぐる不祥事が発生し確か全員が辞職したために、選挙をしなければならなかったと記憶している。沖縄県の場合は、沖縄の本土復帰の時期の関係からであろう。長野県で田中康夫知事の不信任案が可決されたとき、田中知事が県議会を解散していたら、長野県の県議会議員選挙もズレていたのだが、田中知事が辞任して自らの信任をかけて知事選を行った。
以上述べたことは、自治大臣のときに頭に入れたものだが、もう10年以上も経っているので多少の間違いがあるかもしれない。間違いが判った場合には、3日後に訂正をするので念のために改めてこの永田町徒然草をみていただきたい。間違いがあった場合には、末尾で訂正をしておく。タイトルも“統一でなくなった理由(補正)”と訂正するので、ホームページの一覧表でも判るようにしておく。何で自信のないことを書くのかと叱られそうだが、昨晩あたりから風邪もようやく落ち着き、締め切りを延期してもらっていた原稿を徹夜で書いていたからである。別のことを書いても良かったのだが、やはり今日この日に読んでもらった方が良いと考えて、未定稿としてupdateさせてもらった次第である。
それでは、また明日。