なぜ計画停電にこだわるのか。
11年03月21日
No.1472
東北関東大震災の発生以来、これまであまりupdateしていなかった永田町徒然草を私は頻繁に更新するようになった。しかし、そのテーマはほとんど計画停電についてだけである。ここでその理由を述べておかないと、「また白川の偏執狂が始まったのか」と嗤われてしまうからである(笑)。その前に日本経済新聞Webサイトに昨日載った記事を見てもらおう。
計画停電「東京都心3区は夏も実施せず」 東電
国の中枢機能を考慮( 2011/3/20 19:51 )
東京電力の藤本孝副社長は20日夜、東京都心3区(港区、中央区、千代田区)について、最需要期の今夏も計画停電を実施しない方針であることを明らかにした。藤本副社長は記者会見で「中央官庁や中枢機関の事業所があり、電力を止めると国の機関(の機能)を著しく損ねる」と述べた。
都心3区以外の都内20区については「どれだけの節電効果があるか今のところ見定められない」として、計画停電を実施する可能性を示唆した。
現在も足立区などの一部を除き23区内では計画停電が実施されていない。これは計画停電が発表された時以来、東京電力から言われていたことであった。その時点から“23区を除く地域”で計画停電を実施することは間違っているし、そのようなことは政治的に無理であろうと私は考えてきた。
ちなみに白川勝彦法律事務所も私の自宅も“港区”にある。東京電力が“計画通り”に計画停電を実施したとしても、私は個人的には全く困らないのである。
しかし、計画停電を安易に実施することにより、経済や社会の平穏な秩序が破壊され、経済が停滞することを私は憂るのである。それはただでさえ不況に喘ぐわが国にとってこれ以上経済が停滞すれば、深刻な政治問題となると考えるからである。
もうひとつの理由は、いま伝えられる程度の電力の需給ギャップならば、徹底した“計画的節電”で乗り切ることができると信じるからである。(詳細は、永田町徒然草No.1467「2本を1本へ !!」を参照)
もうひとつ、私が計画停電にこだわる理由は、同じような手法と考え方で対処しなければならない問題が数多くあるからである。私たち人間は、自然現象として惹き起こされる災害に、程度の差はあるもののほとんど無力である。今回の東北関東大震災を目の当たりにして、これは私の諦観にさえなった。
しかし、人為によって惹き起こされる災難や困難は、人為によって適切にコントロールすればほとんど回避できることが多い。政治のテーマは、人為による人為のコントロールであるといってもよい。政治だから原理原則・主義主張によって提唱されるコントロールの方法は異なる。
私は根っからの自由主義者であるから、私が提唱する主張も極めて自由主義的である。非常時に自由主義的手法は通じないと思っている人が多い。しかし、そんなことはないと私は信じている。計画停電をめぐる論争は、その闘いでもあるのだ。乞う、ご照覧。
それでは、また。