たったの、戒告処分!?
07年09月21日
No.557
9月20日国家公安委員会は、警視庁立川署地域課の友野秀和巡査長(40歳)が飲食店従業員佐藤陽子さん(32歳)を射殺し、自殺した事件で矢代隆美警視総監に対し、国家公務員法に基づき、戒告とする“懲戒処分”(!?)を決めた。松本巧一立川署長は減給処分を受け、同日引責辞任をした。おい、おい、国家公安委員会さんよ。こんなことでいいのかね!?
私は国家公安委員長に就任したとき、自らの進退を次のように決めていた。警察官が警察官であるが故に行った罪が3件あったら、警察庁長官にも辞めてもらい、私も国家公安委員長の職を辞する、と。警察官が警察官であるが故に行える犯罪の典型が公務員特別陵辱罪である。鹿児島県の志布志事件(鹿児島県議会議員選挙をめぐる公職選挙法違反事件。全員が無罪とされた)で被疑者に両親の名前を書いた紙を足踏みさせた警察官がこの罪で福岡高等検察庁から起訴された。在任中にこの罪名ではないが、警察官がその地位にあるが故に行えた事件が2件起こった。もうひとつこの種の事件が起きたら辞任だなと思っていたが、内閣改造があったので無事円満退任となった(笑)。
警察官が拳銃を持てるのは、警察官であるからである。警察官が職務上持っている拳銃で正当な理由がないのに人を射殺した事件がもっている意味はすこぶる重い。私は国家公安委員長が辞任したっていいケースだと思う。それなのに、問題の警察官が所属する警視庁のトップである警視総監が戒告処分というのは、とうてい理解できない。問題の警察官が所属した立川署の署長が減給処分というのもとうてい妥当ではない。そう感じたから立川署長は辞職したのだろう。自民党が馬鹿らしい総裁選をやっているから、警察はこんな出鱈目な処分でこの事件を一件落着としているのだ。国会が再開されたら、民主党はこの問題を追及してほしい。
馬鹿らしい総裁選といえば、昨日“私たちのNHK”が午後9時の『ニュースウォッチ』で『日曜討論』についで福田・麻生氏を呼んで喋らせていた。そこまで自民党にサービスする必要があるのか。NHKをはじめマスコミ各社は、国民が興味も関心もない自民党総裁選をわざわざ取り上げて、自民党のヨイショをしているのである。NHKは経営委員会の他に、日々の放送内容について国民の意見を反映させるシステムを作る必要があるのではないか。現在のような番組を放送していると、視聴料を払わなくなる人は確実に増えるであろう。
それにしても馬鹿らしい自民党総裁選を真面目に書かなければならないことは、本当に馬鹿らしい。しかし、この馬鹿らしい総裁選がもっている意味や狙いを真面目に批判しなければ、自民党の思う壺である。だから、馬鹿らしいことでも真面目に批判しているのである。馬鹿をかまえば共馬鹿だ、と親父によくいわれた。そのことは忘れてはいない。馬鹿らしいことを真面目に批判することはあまり楽しいことではないが、誰かがやらなければ馬鹿が大手を振って罷り通るから、私は真面目にやっているのである(笑)。馬鹿にしないでほしい。
それでは、また明日。