世論調査と一斉休漁
08年07月15日
No.870
asahi.comに『朝日新聞』が7月12・13日に実施した世論調査の結果が載っていた。私が重視する数値だけをここに記す。この記事はある期間が経過すると一般にはみれなくなるので、記録の意味で掲載しておく。
永田町徒然草No.842「世論調査が教えること」に記載した4月から6月の数値に今回の記事の数値を追加すると次のようになる。いちばん最後の数値が7月12・13日のものである。まず内閣支持率と不支持率の変化である。
・福田内閣の支持率 25→19→23→24%
・福田内閣の不支持率 60→65→59→58%
福田内閣は5月中旬が最悪であった。支持率は19%であり、不支持率は65%であった。その理由はガソリン税などの暫定税率を復活させたことと後期高齢者医療制度の問題が噴出したことであった。私にいわせれば、この数値でも福田首相には甘いものだったと思う。その最悪の状態から4月中旬の水準に戻ったことが数値としてハッキリと出ている。自公“合体”政権はそのことに安堵している。
次は私が最も重視している政党支持率である。今日の朝刊には各政党の支持率も載っているであろうが、1%前後の差異であろう。
・自民党支持率 26→22→22→26%
・民主党支持率 22→26→22→24%
・支持政党なし 41→38→41→40%
「支持政党なし」の数値はasahi.comに記載がなかったので、今朝の朝刊を見て記入した。自民党は最悪のところから4月の水準に回復した。民主党は上がったり下がったりだ。5月の26%を維持するか高めていく必要があるのだが、なかなか難しいようだ。道路特定財源の一般財源化でお茶を濁したことが響いていると私は思っている。
ざっといえば、こういうことである。自公“合体”政権は、「サミットだ!内閣改造だ。北京オリンピック出席だ!概算要求だ」といって求心力を示せるのである。野党はそういう訳にいかない。政権のいちばん弱いところ・国民がいちばん怒っているところに焦点を絞って、攻めなければならない。原油高騰を理由とする物価の上昇がいま国民を最も苦しめているのではないか。
「燃料高もう限界」20万隻休漁へ
全国の漁業者が15日、燃料価格高騰の苦境を消費者などに訴える狙いで一斉休漁する。全国漁業協同組合連合会(全漁連)などによると、全国で稼働する漁船20万隻ほぼすべてが参加する見通し。全国規模の休漁は初めてで、16~17日に店頭に並ぶ魚がやや減る可能性があるという。 <asahi.com 2008年7月15日1時30分>
このようにガソリン税などの暫定税率復活は、国民を直撃しているのだ。自公“合体”政権には責任がある。だが、野党には“環境派”が多い。だからガソリンが1リットル180円を超え、道路が空き空きになっていることを内心好ましいと思っている人もいるのではないか。一般財源化した道路財源の一部を環境対策に回せると考えている人もいる。こういう政治家が世の中を迷走させているのである。
それでは、また。