国民の怒りは・・・・・?
08年07月17日
No.872
いまの政治情勢をどうみたらよいのだろうか。私はいまひとつハッキリと掴めないのだ。自公“合体”政権が政局運営を上手くやっているとは思われないが、野党陣営が攻勢をかけているようにも思えない。ある種の膠着状態なのではないだろうか。そんなことを裏付けているのが、朝日新聞社が7月12・13日に実施した世論調査の結果ではないのか。
最近の世論調査はいろいろのことを訊いているようだ。洞爺湖サミットに対する評価なども質問しているが、世論調査を分析するとき、私はそういうものを捨象する。選挙の動向を考える上ではあまり意味がないからである。内閣支持率・不支持率の数値、政党支持率の数値の変化がやはり大切なのである。数値の変化をどう分析するかが重要なのである。数値の変化は、永田町徒然草No.870「世論調査と一斉休漁」で紹介しておいた。私の分析・意見も、簡単に書いておいた。
私は『朝日新聞』に世論調査の結果が掲載される度に、それに基づいて私なりの分析・意見を永田町徒然草に書くことにしている。その際に自民党支持率と民主党支持率の変化は必ず紹介している。しかし、それ以外の政党の支持率は必ずしも紹介していない。それは公明党、共産党、社民党などの支持率は、公明党は数%あるがそれ以外の政党は1~2%しかないである。だから1%の変化があったとしても支持率は1→2%あるいは1→0%になるだけだからあえて紹介していないのだ。
今回の7月の調査で公明党の支持率の変化がちょっと気になった。4%あった6月の支持率が2%と落ちているのである。支持率3~4%の公明党にとって、2%の変化は大きな意味をもっている。そこで2008年4月から7月までの公明党の支持率を追ってみた。4→3→4→2%と変化しているのである。どうも公明党の支持層が微妙に揺れているようである。これからは公明党支持率の変化もウォッチする必要がある。
閑話休題。現在の国民の政治意識がどのようなものか、私は正直にいって掴めないのだ。そこで1年前の永田町徒然草を流し読みした。昨年の今ころは、参議院選挙の真っ最中であった。私も高揚していたし、国民も高揚していたことが窺える。どうもそういう状況ではない感じがするのである。選挙の真っ最中とそうでないときの雰囲気が違うのは止むを得ないが、私はあまり楽観的になれないのである。政治に対する国民の怒りは確かに大きい。昨年よりもむしろ大きくなっていると思う。しかし、その怒りが自公“合体”政権に向かっているような感じがしないのである。
政権は失政に対する怒りをいろんな策を弄して逸らそうとする。その策動を見抜き、警鐘を鳴らし、組織するのが野党の力量である。それが与党と野党の鬩(せめ)ぎあいである。自公“合体”政権はいろいろな策を弄している。それに対して野党がどうも正鵠を得た攻撃・批判をしていない感がするのである。これが私ひとりの杞憂でなければよいのだが・・・。漁業者が一斉休業することなど、史上初めてのことである。ガソリン税の暫定税率を再可決で復活したことも、史上初めての暴挙であった。歴史上滅多にないことには、尋常ならざる行動で反対しなければならない。その気迫が私にはどうも感じられないのだ。これは杞憂ではない。率直な忠告である。
それでは、また。