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白川・上柳 放送対談中の表情写真

ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2011年6月7日 火曜日 (第18回)

テーマ
「おまとめローンのメリット・デメリットについて」

話者名話の内容
上柳毎週火曜日、この時間は、ごごばん!リスナーのあなたの法律の問題についてお話を伺っていきます。「ごごばん!法律クリニック」 ─ スタジオにはお馴染み、白川勝彦法律事務所の白川勝彦弁護士です。今週も、宜しくお願い致します。
白川宜しくお願い致します。
堀・
増山
宜しくお願い致します。
話者名話の内容
上柳それでは早速、今日のご相談内容です。今日は、川崎市の男性の方からのメールです。
増山
私は、消費者金融など数社から借金をしています。ここへきて返済が厳しくなってきたこともあり、最近よく耳にする「おまとめローン」を利用することを考えているのですが、これって、具体的にはどのようなシステムなのでしょうか?メリットやデメリットについて教えてください。
上柳おまとめローンという言葉、確かに、電車の中の広告等でもよく見ますよね。
白川これはむしろ、2〜3年前までは本当に流行りだったんです。おまとめローンしますよといってですね、かなりのお金を取る詐欺まであったくらいですから。
上柳あぁ、そうですかー。
白川だから、今のおまとめローンとはちょっと違うんですね。
例をお出ししましょうかね。細かいのは除きまして、5社から100万円以下ですが、トータルでいうと290万借りてます、と。この当時は、みんな消費者金融は28%の高い金利…29%というのもあったかな。そうすると、この人の支払額はですね、毎月11万5千円くらいになってたんですよ。
上柳なかなか大変ですね。
白川例えば、ある銀行が「おまとめローン」をしますよと。銀行ですから、違法金利は取りませんよね。15%は取りますけども、それで銀行ですから。しかも、額が大きいですから、7年返済くらいでいいですよという組み換えをする、と。月々11万5千円払っていた人が、「おまとめローン」をすると、月7万円で済むという感じになります。だからすごく「おまとめローン」っていいんじゃないかと思いますよね。
それでですね、私の事務所にこの「おまとめローン」の審査を通りませんでしたと。「だから、債務整理を先生にお願いしたいんです」と言うんですよね。その時に私はこう言ったんですよ。「そんな審査、通らなくて良かったですね」。
上柳えっ?そうなんですか?
白川みんなは審査通らなくて残念だと思うのですが、「審査なんか通らなくて良かったですね」と私が言うと、びっくりするんです。私がずっと見てきたケースはですね、おまとめローンをしたばっかりに、この人の場合290万の借金。おまとめローンしてもらって、それが1年後になると、この倍の500万くらいになっちゃってるんですよ。
上柳えぇ?どういうことですか?
白川本来なら減るはずでしょ? そこで上柳さん、考えてもらいたいのですが、この5社に290万まとめて返しますよね。返された貸金業者から見たら、優良債務者ですね。そういう言葉があるわけじゃないですが、だって、契約書通りみんな返してくれたのですから。だから、優良債務者と私はよく言うのですが、優良債務者だから、また行くと貸してくれるんですよ。
上柳「あなたはこないだ返してくれたし、信じてますからどうぞ借りて下さい」と。
白川やっぱり元の生活でお金がなく借りたから、「おまとめローン」したからといって、急に生活が地味になるわけじゃないから。結局お金がいるので、再度借りたいというと、優良債務者ですから、また貸してくれるんですよ。そうすると、だいたい1年ぐらい経つと「おまとめローン」したばっかりに、倍くらいになっちゃうんですね。
上柳余計お金を借りちゃう人が多いんでしょうか?
白川年収を超えるくらいの額になるっていうのを、多く見てきました。そのようなお話しを聞いていたので、「おまとめローン」の審査なんか通らなくてよかったですねと。
上柳どこにも違法的な行為はないんだけども、貸してくれるがゆえに借りちゃうというところが…
白川人間の悲しい性でね。だから、結局元の派手な生活を直さないと、足らないでしょ?「おまとめローン」したところで。それだって7万払わなくちゃいけないんだから。そうすると、どっか貸してくれるところがあったら、借りちゃうんですよ ── というのを、私は多く見てます。
上柳なるほど、そういう例が多いということですか。
白川だから「おまとめローン」という有利なところ。銀行だけじゃなくて、いわゆる同じ貸金業者が、他の人の貸金業も、「私どもがまとめて貸してあげますから返してきなさい」と。そして、1社にする。なぜ流行ったかというと、一つは金利が安くなるというものと、やっぱり5社に毎月返すって大変じゃないですか。それが1社でいいということで「おまとめローン」というのが流行ったんですよね。
ただ、安くなるという理由はですね、もうひとつあるんです。100万円以下の法定金利というのは、何度も話している通り、18%まで取れるわけなんです。それがおまとめローンだと、当然100万超えますよね。そうすると、法定金利は15%になるわけです。だから、それだけでも3%金利が少なくなって、得じゃないかと思うんだけども…だけど、結局3%ぐらいで、元は14〜15%の金利と言うのは、それ自体が高いんですよね。
だから、1%あるいは2%で貸してくれる人がいたら、おまとめローンもいいかも分かりません。たぶん、ほとんどないと思います。
ですから、一番私が言いたいのは、金利が付くお金と言うのは、1%くらいなら金利が付かないと同じみたいなもんですが、14%、15% ─ それ自体の金利が高いので、100万借りてたら年間に14万ということですから。
やっぱり、金利の付くお金は借りないというのを考えるのが、一番じゃないでしょうか。
それから、リスナーの中にかつて「おまとめローン」をした人がいた場合、たぶん「おまとめローン」した先は、ほとんどが高い金利の消費者金融だったと思います。その「おまとめローン」した…例えば銀行なんかは、法定金利で借りてますから過払い金は出てませんが、その銀行から借りて返した所は、5〜6年付き合いがあれば、それなりの過払い金が出てます。
ですから、今はおまとめローンだけ返してるということだけども、その前の事は済んだと思っているかもしれません。10年以上経ってなければ、そこで過払いが必ず発生してますから ─ ですから、その辺の事は考えたらいいんじゃないかなと私は思います。
上柳10年以内におまとめローンしたなら、払い過ぎの可能性がありますよと。
白川ということですね。今日は、こんなところでよろしいでしょうか。
上柳「おまとめローン」というのは、要するにまたお金を借りるチャンスを作ってもらっちゃう。そこでぐっと我慢して、自分の財布を縮めて生活を質素にすればいいんだろうけども、なかなか人間というのは業の深さと言いますか……
白川貸金業者から「あなた優良債務者」と言われたって、それほど名誉なことじゃないですからね。
上柳ということで、今週も白川勝彦弁護士にお話を伺いました。来週も、宜しくお願い致します。
白川また宜しくお願い致します。
堀・増山お願い致します。

上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー / 堀ちえみ氏 = タレント曜日パートナー (文中敬称略) | 第17回 | TOP[t] | 第18回

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