HOME > 白川文庫 [l] > カツヒコ・アラカルトTOP[f] > 白川勝彦の世の中つれづれ談義 > 2010年10月2日 (第14回)
白川勝彦の世の中つれづれ談義 2010年10月2日 土曜日 (第13回)
大相撲、これだけは超えてほしくない記録がある
話者名 | 話の内容 |
---|---|
大相撲、これだけは超えてほしくない記録がある | |
小泉 | 今週、白川さんが注目した出来事は何でしたか。 |
白川 | 北朝鮮の後継者問題、尖閣諸島などいろいろありましが、私は大相撲ファンなので、今日はね、先日終わった大相撲秋場所について触れたいと思います。 白鵬の四場所連続の全勝優勝、そして62連勝に湧きました。大相撲は歴史があり、その過程でいろいろな記録が生まれましたが、小泉さんは、大相撲ファンがこれだけは超えてもらいたくないと考えている大記録があるんですが、知っていますか。 |
小泉 | さあ、知らないので教えてください。 |
白川 | 一つは、来場所にも白鵬が破るかも知れない双葉山の69連勝ですね。 |
小泉 | その記録は、このところ大きな話題になっていましたね。ほかには? |
白川 | 忘れてはいけないのが、昭和の大横綱の一人、大鵬の幕内最高優勝32回の記録ですね。小泉さんは知らないかもね。 私が大相撲に興味を持った時は、いわゆる「柏鵬時代」で、柏戸と大鵬が毎場所のように優勝を争っていました。32回の優勝は大鵬だから達成した大記録ですね。今の九重親方、現役時代は千代の富士でしたが、彼も大横綱の実績を残しましたが、優勝回数もそうですが、風格も大鵬にはかなわないと思います。 残る一つの大記録。それは最年少で横綱になった力士のものですが、それがだれかわかりますか。 |
小泉 | わかりません。 |
白川 | 二代前まで日本相撲協会の理事長を務めた北の湖です。この人が21才2カ月で横綱に史上最年少で昇進しました。 貴乃花も近い年齢でしたが、北の湖の最年少記録には及びませんでしたね。確かに貴乃花も立派な横綱になりましたが、横綱昇進は三か月ほど及びませんでした。北の湖は中学生で入門し、学校に通いながら、苦労して相撲に取り組み横綱まで登り詰めた。そこが私は好きなので、この最年少記録は誰にも超えてほしくないですね。 その北の湖が偉大な横綱だった証拠に、一代親方を許されたうえ理事長にもなりました。以上の三つが大相撲三大記録だと思います。白鵬の優勝回数はまだ16回ですから、大鵬の半分ですね。ただ、双葉山の連勝記録には手が届きそうですね。 私も、双葉山の現役時代は知りませんが、時津風理事長として大相撲の発展に寄与されたことは憶えています。まあ、69連勝は超されるかもしれない。だからと言って、昭和12年頃から、当時は年二場所の時代に、足かけ4年がかりで達成した双葉山の記録が色あせることはありませんね。 ところで、先場所でもう一つ嬉しかったのが、大関魁皇が勝ち越して、13回目のかど番を脱出したことですね。11月には故郷の九州場所でまた相撲が取れますから、魁皇ファンとしても嬉しいことです。 |
借金問題は専門家に任せて、仕事に専念しよう | |
小泉 | 番組の後半は、お金に関する法律や生活経済での悩み事について、白川さんからアドバイスをいただきます。 大相撲での明るいニュースがある一方で、多重債務者をめぐる環境はますます厳しくなっていますね。 |
白川 | 一気に多重債務問題を解決すると、「弁護士はすごい」という人もよくいます。 以前、たとえば300万、400万をヤミ金から借りていて、「命まで取られるのではないか」と心配している人がいましたが、違法金利で商売しているからヤミ金と呼ぶわけで、お金を違法金利で借りても返す必要がないんです。私たちの告発でその業者が捕まって、結果的にその借金が消えました。それで「弁護士はすごい」となる。 ヤミ金でなくても、長年にわたって複数の業者から多額の借金をして苦しみ、自殺まで考えたという人も多いですね。いま、過払金を戻すこともしていますが、私が今までの債務整理案件で、いちばん多く過払金を戻したのは1300万円ですが、そういう時は、依頼者にすれば、弁護士が神様に見えるかもしれませんね。 しかし、それは私が弁護士として剛腕だったのではなく、その人の借金の返済実績に照らして、利息制限法を超える利息で返していたため、法的に過払金があることを立証しただけなんですよ。でも、そういう恵まれたケースはいつもあることではない。百件に一件あればいいほうではないですか。 |
小泉 | だれでもお金が戻ってくると思っている人も多いですよね。 |
白川 | 戻ってくるのは長い間、貸金業者と取引がある人ですね。大手の業者はすでに利息制限法の利息に下げていますから、ここ数年の取引では過払いは発生していません。だから任意整理で借金自体を減らして、毎月の返済額が10万ならそれを5万に減らす、そうしたケースのほうが圧倒的に多いですね。 私は、そういう方法をとってもいいから、借金問題から抜け出したいという、その依頼者の気持ちを大事にしたいと思います。借金問題を抱えていると、毎日そのことばかりが気になって、仕事にも力が入らないでしょう。そういう悩みの解消を私たち法律の専門家に任せて、あとは仕事に専念してくださいというのが、私たちの考え方なんです。 依頼者には看護士さんとかタクシーの運転手さんもいますが、人の命を預かっているともいえる仕事ですよね。借金のことばかり考えていたら、ミスや事故につながるかもしれません。理容師さん、美容師さんは、お客さんとの楽しい会話が商売上必要ですよね。それが借金で悩んでいて口数が少なくなったりしては困りますね。 だから、私たちに任せたら、もう後は仕事に集中してくださいといつも言います。それで、三年して借金をゼロにして、「先生のおかげです」とお礼を言われますが、それは、依頼者自身が三年間努力した結果であり、あなたの苦労は将来何らかの形で実を結ぶでしょうと答えますが、それが弁護士としての私の本音ですよ。 |